年上女ですが…それが何か???






かなり挙動不信に視線をさ迷わせた後、私はやっと、目に付いたソファーへと腰を落ち着かせた。






自分の気持ちを自覚したばかりで、上手く感情をコントロールする自信がない。






というより、こんな短時間で人を好きになるなんてこと初めてで。





はっきり言って、どう接したらいいのか、どんな顔をしてればいいのかもわからない。






そのうち、マグカップを持ったコータ君が近づいてきた。






「はい」



「あ…ありがと…」






目の前に置かれたコーヒーに、私は目線を合わせないように俯いたまま手を伸ばす。






「………明、さん?」






テーブルの向こうに座りながら、そんな私に戸惑ったようにコータ君が名前を呼んだ。






ギクッ−−






その声にも体がびくついてしまった私は、まるで恋愛初心者のよう。






25にもなって、ホント、情けない……






「ねぇ、さっきの気にしてヘンなの?」



「へっ…?」



「別に気にしてないよ?俺」






………さっき???







わけがわからず視線だけでそっとコータ君の様子を伺うと、バツが悪そうに下唇を噛んでいるのが見えた。






そこでやっと追いついた私の思考。






コータ君は、私がしたデタラメな話のことを言っているらしい。
それをさっき咎められて、私が落ち込んでいるとでも思ったんだろう。







なんて可愛い奴……







「あー…うん、なんかごめんね?
ちょっと気になる話を聞かされた後だったから、自分でも何言ってるのかわかんなくなっちゃってて……」






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