リトルシークレット


スタ、スタ…
後ろから岡崎の足音が聞こえた


縁はおそるおそる後ろを振り返った




そこにはさっき目の前にあった岡崎の顔が再び自分の前にあった。

「な、なんでしょうか…?」
一歩あとずさって尋ねた。


すると、岡崎は何も言わず鞄をもってる縁の手を取って重ねた。
「へっ…?」
一瞬なにがなんだか理解できなかった縁だが、瞬時赤面して後ろの壁まで後ずさる。


「ななっ…なななななんですかー!!?」
縁は思わず叫んだ
だが岡崎は冷静に、
「何って、手繋いだんだよ」
と言ってやさしく笑い、縁の方へ近づいてゆく。


「え、え、ええええ…!?」
いきなりの急展開に頭の混乱する縁の前には、岡崎が…

「…俺に手握られるの…いや…だった?」
耳元で囁く岡崎
手を壁につき、縁を逃がさない姿勢

そのことばに縁は頭が爆発寸前だった。
「い、いやとかじゃなくて、いい、いきなりそういうのはしないほうがいいと思うのですが…!」
「いきなりしたくなったんだ…、ごめんな」
そういって片一歩の手を縁の頬へと近付けていく。


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