ティアラ2
「嫌がってるやないか! 手ぇはなせ!」

男たちとあたしの間に割って入ってきたのは、金色に似た茶髪のロングヘア。

「ナンパするなら釣り合う男になってからにしなさいよ」

彼女の隣に並んで、あたしをかばうような体勢をとる女の子。

聞いたことのある声。

「誰だっけ」と考えたとき、両腕を広げている子がこちらに振り向いた。

「ね、美和先輩」とにっこり微笑んで。

「美緒ちゃん!」

聞き覚えがあるはずだ。

彼女は高校時代、あたしのファンでいてくれた女の子。

篤紀の妹「弥生ちゃん」の親友だったりもする。

じゃあ、この関西弁は……。

もしかして、とロングヘアの女の子を見る。

「なんや、やるんかぁ? プロレスでも相撲でも、何でも相手したるでぇ! かかってこいやぁ!」

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