ティアラ2
おとといの朝、直子はメールの返事を読んで、すぐに電話をかけてくれた。
最初は冷静に喋ってたんだけど、状況を説明していると胸が苦しくなってきて、あたしは途中で黙り込んでしまったの。

直子は「いまからそっちへ行こうか?」と言ってくれた。でも、あたしは「ううん」と断って、忙しいふりをしたんだ。

そして今朝、メールが届いた。『久々にお茶しない?』と。
心配してくれているのがわかったし、断る理由もなくて、素直に『うん』と返したあたし。

けれど、直子は電話をしながら現れて、席についた途端、「太一」と言って携帯電話を渡してきた。
そして、「何だろう?」と思っていたら、爆笑しながらああ言われたってわけ。
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