ティアラ2
「……わかってるわよ。わざとだ、ってことくらい」
太一のことだから、怒らせるようなことを言えば元気になるって考えたのだろう。わかってるけど、いまのあたしにそういうのは逆効果なの。普通に「大丈夫か」って聞かれたほうがマシ。
直子は携帯電話をパタンとふたつに折り、テーブルにひじをつく。
「少しは落ち着いた?」
顔を覗き込んできた彼女。あたしはムスッとした態度をやめて、おとなしくコクリとうなずく。
すると、直子は柔らかく微笑んで、ため息まじりにこう言った。
「あんた、この前のこと気にして……あたしへの相談、遠慮してたでしょ?」
「……うん」
直子さまは何でもお見通し……。
避けていた間、彼女からも連絡はなかった。それはきっと、あたしの気持ちを理解していたからだろう。
太一のことだから、怒らせるようなことを言えば元気になるって考えたのだろう。わかってるけど、いまのあたしにそういうのは逆効果なの。普通に「大丈夫か」って聞かれたほうがマシ。
直子は携帯電話をパタンとふたつに折り、テーブルにひじをつく。
「少しは落ち着いた?」
顔を覗き込んできた彼女。あたしはムスッとした態度をやめて、おとなしくコクリとうなずく。
すると、直子は柔らかく微笑んで、ため息まじりにこう言った。
「あんた、この前のこと気にして……あたしへの相談、遠慮してたでしょ?」
「……うん」
直子さまは何でもお見通し……。
避けていた間、彼女からも連絡はなかった。それはきっと、あたしの気持ちを理解していたからだろう。