ティアラ2
「バーカ、遠慮されたほうが迷惑。……一気に事情を聞かされる身にもなってよね。展開が早すぎて、理解に苦しんだんだから」
彼女はそうつぶやいて、飲みかけのアイスティーにまたシロップを足し、グラスの底をストローでかき混ぜる。

「ごめん」
またうつむくと、直子はふうっと息をつき、店員が持ってきたパンケーキに手を伸ばす。

「ん……まぁ、あんたの話しか聞いてないから、テキトーなことは言えないけどさ。いまはそっとしておいたほうがいいかもね」
「……え?」
「深町のことよ」
「あぁ」

いきなりすぎて、一瞬「なんの話かな」と思った。
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