彼女ノ写真
「あのさ、シキちゃん───、、、生徒手帳を無くした」




その言葉に、シキちゃんは少し声のトーンを落として答えた。回答としては、不正解だったみたいだ。




「───そう」



「うん───」




彼女は僕の耳元を覆っていた左手を下ろし、背伸びを止めた。




先輩達は、二宮さんに怒られていた。あっちとこっちじゃ、世界が違う様だ。




「───だったら、再交付してもらえば?」




恐ろしく想定通りの言葉を貰った。




目の前で行われている別世界の光景と相まって、思わず噴出しそうになって堪える。何て緊張感がないんだ、僕って奴は。





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