彼女ノ写真
シキちゃんは、生まれながらにして、こういった力を持っていた訳じゃないって言ってたから、私みたいに、この力に対して嫌悪感を持っていないみたいだけれども。




むしろ、カナデちゃんと再び話せた事を、すごく喜んでいたっけ。




そりゃ、私だって嬉しかった。だけど、この力は───やっぱり不必要だ。




私も彼女の様に、そろそろ考え方を変えてみたいモノだけれども、まだまだ掛かりそうな気がするわ。




「あ、サクラちゃん!来てくれたの?」




ちょうど教室から出てきたシキちゃんが、弾むような声で私の名を呼んだ。今日も相変わらず、学校指定のエンジ色のジャージ羽織り、ポケットには三本ほどのペンが掛かっていた。





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