海の乙女

次に目を覚ました時には、あたしは木々が生い茂っている林の中にいた。

重い体に鞭をうち、体を起こす。

多少、傷はあるものの木がクッションのかわりとなったのか、目立った外傷はないのは不幸中の幸いだ。

それにしてもいったいここはどこなの…?

たしか竜巻に巻き込まれて…

「サラっ…!?」

確かサラも一緒に巻き込まれたはず…っ。

あたしは慌ててあたりを見渡したが、サラの姿は見当たらなく返事もない。

サラ…無事なの…!?

すぐにでも探しに行きたいが、運の悪いことにここはマングローブ林で満潮のせいか、地面には海水が溜まっており、人魚のままだった。

このままではサラを探すどころか移動もできない。

「どうしよう…」

すると突然ガサガサと草木が揺れる音がした。

もしかして…

「サラ!?サラなの!?」

しかし、悪いことは重なるようでそんな期待も虚しく現れたのは…

「ほぅ…こりゃ驚いたぜ。まさかこんなところに人魚がいるなんてな」

下品に笑う海賊だった。
< 16 / 88 >

この作品をシェア

pagetop