海の乙女
「そのままあたしは闇市で売られたの…。」
ライトはなにも言わずあたしの話しを聞いてくれている。
「その後は、たくさんの人の間を渡ったわ。なかには最初は優しい声をかけるけど、ずっと牢屋に閉じ込めたままだった。誰一人、あたしを『人』として扱ってくれなかった…。サラとも…離れ離れになってしまって…。ずっと一人で…怖かった…。」
あたしは今まで我慢していた不安や悲しみが溢れだし、涙が止まらなくなった。
止めようとしても次から次へと溢れ出してくる涙は止まらなかった。
「今まで…よく頑張ったな。君はもう自由なんだ…。」
そう言いながらライトはあたしを抱きしめてくれた。
その暖かさはベッドの中で感じた温もりと同じだった。
だんだん落ち着いてき、「ごめん…」と言ってライトから離れた。
するとライトが唐突に言い出した。
「もしよかったら、君の住んでいた所までこの船で送るよ。」
「え…?」
思ってもいない言葉にあたしは思わず戸惑ってしまった。
「君はどうしたい?」
「あたしは…あたしはみんなの所に帰りたい!……でも…」
「どうした?」
「友達と…サラと一緒に帰りたいの…。今どこにいるのかもわからないけど…。あたしのせいで巻き込んじゃったんだし…。もしできるなら探し出して助けたいの!あたしがライトしてもらったように!」
「よし!決まりだな!!」
「…本当にいいの?」
「もちろん!」