海の乙女

あたしも船に戻ろうと振り返ると、少し遠くの道にキラリと光るものが落ちていた。

あれ…?

もしかしてあたしの髪飾り…?

一歩踏み出したその時、一人の老人がソレを拾い、持って行ってしまった。

あたしは考えるよりも先にその老人を追いかけていた。

人ごみを掻き分け、やっとのことで追いつき、老人にさっき拾ったものを見せてもらったが…

「違う…」

老人が持っていたものは鎖の切れたガラス玉のネックレスただったのだ。

お礼を言うと、老人は「いえいえ」と優しい声で言い、去って行った。

ハァ…とため息をつき、船に戻ろうと来た道を引き返していると…

「君、ちょっといいかな?」

と声をかけられた。

「!!」

振り向くと、胸にはあたしを捕まえていたグリフィス家の家紋がついた二人の兵士がいた。
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