飛べない鳥
目的の駅に着いた頃には、さっきまでどしゃ降りだった雨も少しだけ弱くなっていた。



『あーあ、遥斗の笑顔もう一回見てぇな』



『…ばーか、またお前が変な事してくれれば笑ってやるよ?』



『じゃあまた今度チャレンジするかな』



『頑張れ?』



雲と雲の隙間から、太陽が顔を出した。


太陽の光が俺達を包む。


俺の隣にいた響は濡れたカッターシャツを脱ぎ、タンクトップ一枚となり、脱いだカッターシャツを絞っていた。



『あっそうそう!忘れてた!』



太陽の光は一瞬にして消え、太陽はまた雲に隠れてしまった。



俺は響の方を見る。



『何?』



『和馬と淳が今日俺ん家来るんだよ、だから遥斗も来いよ?』



『強制なわけ?』



『当たり前だろ?7時に俺ん家来いよな!じゃあな!』



『分かった、またな』


俺達はいつもと同じ場所で別れ、それぞれの家へと帰って行った。
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