Ghost Lovers
ギイィ…と古ぼけた音が響く。
周囲には誰一人としていなくて、
あるのは私と、この扉の向こうの妖怪のみ。
「しっ…ししし失礼しまっす!!!」
恐怖に唇を噛みしめてドアを開けていく。
すると、突然私の頭上に大きな影が被さった。
「こんにちは~~…ぁ」
「きゃあっ!!」
先ほどしたものと同じ、不気味で弱々しい声。
思わず心臓が飛び跳ねて
その場に大きく尻もちをついてしまった。
「…っった~ぁ……」
部屋を見渡せば、そこはどんよりと暗い。