花の家
甲矢の手が香里の首にのびる。

あの凄まじい力で締められたら、香里の首なんてぽっきり折れてしまうだろう。


「やっぱり嘘」

「なぜそう思う」


上手くは説明できないけど、甲矢は揚羽とは違う。

決定的に何かが違っている。


「ああ、あなた、私を美味しそうだと思ってないもの」


揚羽は香里を見たとき、ごちそうを前にしたような顔をした。

しぜんに口の端が上がってしまう。

そんな笑顔。


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