花の家
「美味そうじゃと思うておるとも。憎らしいほどに」


甲矢は眉間にしわを寄せて言った。

美味しそうなものを見てる顔には見えないけど。


「じゃあ、私を食べちゃうんですか?」


なんで私は、こんなに落ち着いてるんだろう。

たぶん、甲矢さんからは食欲なんて、ちっとも感じないからだ。


「食べるものか、殺すだけじゃ」


「どうして、食べないのに殺すんです?」


食べたくないのに殺すなんて、理不尽じゃないか。

……いや、別に食べられたい訳じゃないのですが。


< 258 / 274 >

この作品をシェア

pagetop