花の家
「お前が、わしが人として生きるのに邪魔だからじゃ……」


わしは虫の血を引いているが、人間でありたい。


甲矢さんは、血の気のない白い唇をふるわせて言った。


「お前が、お前の蜜が、虫の血を唸らせる」


力の加減がつかなくなる。

どうしてか分からなかったが、一目見て分かった。

お前の開花のせいだ。。


「ぬしに分かるか。バケモノの力を持つ、わしの気持ちが。

……人の姿をしたお前を、食いたいと思ってしまうおぞましさが」


わしは花のむすめを殺さねばならん。

お前がいなくなれば、力の制御もつく。

わしが人であるために、お前を殺さねばならんのだ。
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