花の家
「馬鹿な」


香里の気持ちとは反対に、甲矢は嘲笑った。


「お前には、わしの気持ちなぞ分からぬ」


香里の無知を笑うように、口の端を吊り上げる。


「何度、体を変えようと、わしはお前と仲良くはなれん」


青白い顔は迫力をおびて、香里をせめる。


「花のむすめ……この村の罪も、己が罪も知らぬ、愚かなむすめよ」


約束も忘れた貴様が、生きる意味は いずこにあるのじゃ。


約束とは、揚羽くんが言っていた【食べられる約束】のことだろうか。

わたしは食べられるために生きているのだろうか。


わからない。

このわからないこと自体が、罪だと言うの……?

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