花の家
甲矢の挑発に鈴が手摺りを蹴って、飛んだ。

鈴の長い足から出る蹴りは、鞭みたいにしなる。

甲矢が右腕でそれを受けると、鈴のこめかみがぴくぴくと動いた。



「っだあ! 固ぇッッ! これだからカブトムシは!!」


「は! 並の打撃なんぞ、わしにはきかぬわ」


人ならぬ固さらしい。


熊のような馬鹿力で、並の打撃もきかないという先輩だが、

やはり体は弱いらしく、


声をあらげた端から、咳こんでいる。


「や、やめてよ鈴! 病人相手にひどいじゃない!」


「お前なあ、殺されるところだったんだぞ!?」


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