愚者
葵は頷き両手でカップを包み込むと、温もりを確かめる様にジックリと両手で持ち一口啜り俯く。私が云うのも筋違いだが、本当に腹立たしい話だ。イジメをする奴等は、自分の弱さを隠す為に虚勢を張っているだけに過ぎない。だが、その様な事をこの子に理解しろと云う方が酷と云う物だ。今は只静かに心のゆり幅が落ち着くのを待つ意外に道は無い。この子の家族が如何対処するのか、如何に立ち回るのかは分からないし、気が付かない場合が有るのかも知れないが、その時に如何なるかは大体の末路は見えている。
「美味しいです」
「少しは落ち着いたかな?」
「はい」
「それは良かった」
葵はそれ以降喋ろうとせず、黙り込む。平気な素振りを出来る程に強く成れる年では無い。私は、葵の心が落ち着くのを待って店を閉める事にした。
*
「美味しいです」
「少しは落ち着いたかな?」
「はい」
「それは良かった」
葵はそれ以降喋ろうとせず、黙り込む。平気な素振りを出来る程に強く成れる年では無い。私は、葵の心が落ち着くのを待って店を閉める事にした。
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