愚者
「曖昧過ぎるタブーの線引きが、今の馬鹿な人間を作ったと云えるかも知れないけどね……」
 傍から聞いて要ると過激過ぎる発言だが、私は黙って南條の話を聞く事にした。下手に止めたりすると、恐ろしく不機嫌極まりない顔に成りエキセントリックに成る。冷静に見れば付き合い難い人間に属するが、そう成ると、私には分からない薬を飲み、自分で心のコントロールをする。不可思議極まりない人格の持ち主ではあるが、同時にリベラルなスタイルを保有しつつも、極力中立的な言葉を選ぶ姿は好感が持てる。
「相変らず、諸外国から批判されている記者クラブと云う物が有るけれど、情報操作と云う点では曖昧過ぎるわね。それが今の世の中の混沌とした世情を生んだとも云えるわ」
「記者クラブ?」
 私が単純な疑問の声を上げると、南條は究極に困った様な表情を浮かべる。自分と同じフィールドで話せる人物では無い事は分かって要る筈だが、時折こう云った意地悪とも思える態度で私に話し掛ける。
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