愚者
「その通りね。要約すると、戦時中、少しでも自国に取って不利な状況って云うのは、絶対に国民に漏らしたくない訳ね。その辺りは考えれば分かると思うけれど、戦時中、実は日本国が不利な状況だと云った情報が漏れると、統制が出来無く成るからよ。一部の上層部は内容を把握しているけれど、国民は情報の真意を確かめる術も無く、国が垂れ流す嘘の情報に踊らされていたって訳よ」
「無茶苦茶ですね」
「当時は酷い物よ。国に対した不満を漏らそう物なら、今では死語にすら成った感が有るけれど、所謂村八分と云うイジメ以上に酷い仕打ちが有ったの。国を挙げた狂乱時代ね。でも、ある意味では人心を掌握していた方法だと云う見方も出来るけれどね。迂闊な事を云う事もだけれど、国を上げた食糧不足で、毎日を生きる、一時間先を生きると云う事に国民は必死だったの。その時代の人達は、今の人達以上に生きるって事に真摯だったわ」
「漠然とですが、分かる気がしますね」
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