愚者
「情報操作の元、人心を操る事が正しいとは云えないけれど、必要だと云えなくも無いわ。でも、今の時代は戦時中の様な混沌とした世情じゃ無い訳だから表現の自由は保障されるべきだけれど、今有る情報操作は、旧態全とした記者クラブが情報を載せる媒体に圧力を掛けて、批判に近い内容を書く媒体には情報を流さないと云う、所謂嫌がらせ程度の事を平然と行なうのよ。でも、メディアは情報を欲しいが為に、云い成りに成って要ると云うのが現実ね。資本主義が原則だから、媒体としても利潤が無ければ倒産してしまう。元来、表現の自由で思想の自由は保障されなければ成らないけれど、現実問題は、圧力と云う、眼で捉える事の出来無い不可思議な化け物に、タブーと云う結界を張られているのよ。二律背反した状態ね。その為に、一般の人が情報の真意を探ろうと思っても、さっきも云った悪魔の証明と同じで、その情報の真意を確かめるのは容易な事じゃ無いのよ。私達個人が情報内容を調べるのは、事実上不可能って事ね。そう云った事も踏まえて、私達一般の人間は、垂れ流される情報に右往左往するけれども、ナンセンスも甚だしいって所ね。このディスプレイに映し出されている情報も、どこ迄が本当か分かった物じゃ無いし。仮に嘘だとしても、その嘘を証明する事は事実上不可能に近いから、私達は冷静に情報と社会の動きを吟味する必要が有るの。そう云った状態で、資本の有る人や、一部の権力者は、自己の私腹を肥やす事に腐心して、仮にバレたとしても、裁かれ方は凄く曖昧で緩いわ。その為に、所謂政治家は表に出ない悪さを働いて、仮に裁かれるとしても、金と圧力で本来辿り着かなければ成らない、本当の意味での諸悪の根源は飄々と逃げてしまうのよ。しかも、スケープゴートと云うか、トカゲの尻尾切りの様に、政治家の中でも弱者と云われる弱い立場の人間を切り捨ててね」
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