愛してるのに愛せない
「うわぁ……凄い涎だな…」
「なっ?凄いだろ?」
「汚い……」
涎を垂らして寝ている大輝の目の前で、あたしたちはクスクス笑いながら大輝の寝顔を見て話している。
確かに凄い涎……汚いなぁ…
「起こさないと、ご飯冷めちゃうよっ」
「そうだな……お〜い、大輝!朝だぞ〜」
あたしたちは三人がかりで大輝を起こす。
「むにゃむにゃ……あと1時間…」
そう言って、また寝ようとする大輝…
あと1時間…?
あと5分じゃなくて…?
あたしは笑いを堪えられず、笑ってしまう。
でも、あたしだけじゃなく、海斗と光太さんも笑っていた。
「あと1時間じゃ、学校に遅刻するぞっ!」
光太さんが嘘をつく。
でも、それを聞いた大輝は跳び上がるように起きた。
「うそっ!?今何時!!?」
あたしたちは一斉に笑いだす。