愛してるのに愛せない
「海斗…ひでぇ…」
「自業自得だっ!」
俺にとび蹴りをもらった大輝は蹲っている。
その大輝を彩が木の小枝でつっつく。
そんな大輝を無視して俺は日陰に行く。
「彩っ、次の競技…あたしたちだよ!」
「待って、レイちゃんっ!」
彩たちが入場門に向かい、蹲っている大輝と俺が残された。
大輝は相当痛かったのか、まだ蹲っている。
心配になった俺は大輝に近づき、様子を伺う。
「大輝ー?大丈夫かぁ?」
「海斗…本気でやんなよ…」
顔を横に向けて俺に訴える大輝を見て、俺は強すぎたと反省する。
「悪い…大輝。強くやりすぎた…」
「まったくだ……」
死にそうな顔してやがる……
俺は大輝に肩を貸すと、日陰に連れて行った。