愛してるのに愛せない
「今の海斗なら大丈夫だな…」
今の俺なら…?
それってどういうことだよ…
俺は真剣な目で兄貴を見た。
「わかった…話そう」
兄貴は一呼吸置き、過去を話し始める。
「海斗……親は交通事故で死んだ。俺は成人していて就職もしていたから、影響はなかったから大丈夫だったが……お前は身寄りがない。だから俺が引き取った…」
兄貴は真っ直ぐ俺だけを見て言った。
両親は死んだ…?
それも交通事故で…?
じゃあ…俺に、親の記憶がないのは……
俺は兄貴に答えを求めて一つだけ質問する。