愛してるのに愛せない


「彩も大変だな…」


一言だけ言って海斗はお茶を飲む。そのお茶も一口だけ飲む。



「海斗に比べたら全然だよ…」



あたしは下を向いて俯く…



海斗は「はぁ…」と溜め息をつき、頭を掻く。




「彩…人と比べんな。お前にとっては、とても苦しんでることなんだろ?」




海斗…

あたしよりもツラいはずなのに……優しすぎるよ…



「うん…」

「だったら、俺はお前の相談相手になるって決めたんだから解決できる方法を考えようぜ…?」




ポロッ…と、あたしの頬を一筋の涙が流れた…

海斗は自分だって苦しいのに、あたしのことを支えてくれてるんだ…



「ぅ…ん…。ひぐ…ぅぐ……ありがとう…海斗……」

「どういたいしまして…つか泣くなよ…」




あたしの声にならない声をちゃんと聞いてくれる海斗…

海斗はあたしの背中を擦りながら慰める…



海斗…

ホントにありがとう…
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