秘密の授業〜あたしの青春〜
ご褒美という名の宝物
「むー……」
愛川唯華。
ただいま理科……科学の問題に放課後の教室でひとり苦戦中。
100点……とるんだからっ。
先生のメールアドレス。
欲しい。
アドレス交換なんかしたら……絶対に今より仲良くなれる。
教師と生徒の壁は超えられないと思うけど、きっと生徒の中では特別にはなれる!
って、信じてる。
“先生がスキ”
ノートの隅っこに書いてみる。
その下に“タケヒト”とも書いてみる。
“タケヒト”っていうのは、イマイチぱっとしないから消しゴムで消した。
だけども筆圧の高いあたしの字は、消しゴムで消しても完全には消えなかった。
まるで、あたしの気持ち。