あの日に戻りたい・・・。
明日、高ちゃんに報告する・・・。
高ちゃんどう思うかな?
学校の先生には伝えたけどまだ言わないでって言ったし。

「おはよー。蘭」
「おはよ・・・。高ちゃん」
「なんか元気ないぞ?大丈夫か」
「うん・・・。大丈夫だよ。
それより今日放課後高ちゃんの家に行っていい?」
「うん。いいけど」
「大事な報告があるんだ」
「大事なこと?」
「うん」

今日で全部最後なんだ・・・。
日本での授業も、クラスでのバカやるのも、高ちゃんとの
時間も・・・。全部全部最後なんだ。

「蘭。おはよ」
「おはよー。唯」

私の中学からの親友唯とも今日でお別れなんだ・・・。
なんか寂しいな。

「蘭。次数学だよ?何理科だしてんの?」
「あ・・・。本当だ!いっけない」
「もう。蘭たら・・・。」

そんなこんなで今日の授業は何とか終了。
唯には高ちゃんがいない時を見はからって転校の事を
伝えた。
びっくりしていたけど、蘭なら大丈夫っていってくれたんだ。

「蘭帰るぞー。」
「うん」

最後の学校が終わった・・・。
理事長にお世話になったお礼を言っとかなくちゃ・・。

「高ちゃん。先行ってて」
「蘭は」
「ちょっと理事長に用があるから・・・。」
「分かった」

幼稚舎からお世話になっといて、何も言わずに帰るなんて
出来ないもんね・・・。
12年間もお世話になったんだもんね。

「失礼します」
「あら、西内さんどうしたの」
「理事長。今までお世話になりました。」
「いいえ。こちらこそ、西内さんにはたくさんの事を
学ばせてもらったわ」
「理事長・・・。」
「イタリアに行ってもがんばってね」
「はい!!」
「さようなら」
「さようなら。失礼します」


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