君が、イチバン。

私じゃない誰かが、瑛ちゃんに触れて瑛ちゃんの瞳に映るなんて耐えられない。鰐渕さんの時とは違う。怖くて見ない振りをして幸せも祈れず逃げ出したあの時と決定的に違うのは、瑛ちゃんに笑っていて欲しいという事。
瑛ちゃんが私にくれた全部を、返せないから。
恋する資格も、パティシエールへの夢も、四宮君と一条さんに背中を押さられて、だけど根っこは瑛ちゃんがいつだって支えてくれていた。


ありがとう、と言わせて。


「…さない」

「え?」

瑛ちゃんが私の腕を掴む。

「許さない」

瞳に篭る熱、なのに泣きそうに揺れる表情に目を奪われて、体中が熱くなる。
なんで、そんな顔、するの、

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