君が、イチバン。
「恋する資格も、パティシエと向き合わせる事も出来かった僕を捨てる?」
眉を寄せた瑛ちゃんが壮絶に綺麗で、なんで、そんなこと、
「『もう大丈夫?』駄目だよ。離してあげない。離せない。椎那、君がいないと俺は、」
いつもより、乱暴な口調の瑛ちゃん、初めてみる激情を宿したカオに、揺れる。
「君が、好きだ」
それは、切なくなる位、真摯で。
「え、いちゃん、」
なにを、いっているのか、理解出来なくて、もどかしい。
キツく抱き寄せて、瑛ちゃんの腕の中で、もう、何も考えられなくて、
どれだけそうしていたのか、ゆっくりと瑛ちゃんが離れて、私はやっと息をした。