君が、イチバン。
「ごめん」
瑛ちゃんが謝る。離れていく、手。いつもは私を優しく撫でるのに。
「瑛ちゃん、違う」
急激に離れていく温度が嫌で私は瑛ちゃんの腕を掴む。
「なんか、頭爆発しそうなんだけど」
私の言葉にキョトンとする瑛ちゃん。
「一人で大丈夫っていったのは遠慮からで、」
ああ、もう言葉がもどかしい。
「ちょ、待って。あの人、あの人はなに?」
「あの人?」
「髪の短い、一緒にいたでしょ⁉︎そ、その瑛ちゃんのきっかけを作った彼女でしょ⁈」
私の言葉に瑛ちゃんは、一度考える様な仕草をしてから、はぁぁぁと長い長い溜息を吐いた。