ばい
ーガチャ
「仁…」
「……」
乃亜が車に戻って来たけど俺は乃亜の声に返事をしなかった。
今、口を開いたら酷いことを言ってしまいそうな気がしたから…
「じ…」
再び乃亜が声を掛けてこようとしたとき
ーコンコン
「乃亜。」
慎って奴が車のドアを叩き乃亜は窓を開けた。
「明日、待ってるから。」
「うん…」
「じゃぁ…ばぃ。」
「ばぃ。」
一瞬、聞き間違えかと思った。
だって乃亜がいつも言う言葉を慎っていう奴も言ったから…
「ねぇ仁…何を怒ってるの?」
「……って…」
「え…?」
「アイツと乃亜って本当に幼なじみって関係だけ?」
そうじゃないって本当はわかってる。
二人の表情や雰囲気は…
まるでお互いが好きだけど別れたって雰囲気だった
俺にはそう見えた。
なのに…
「ただの幼なじみだよ。」
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