Love Step
杏梨は洗面所の前に立った。



タオル地のバスローブを着た雪哉がタオルで頭をガシガシ拭いているところだった。



「ゆきちゃんっ!何してるのっ!?」



「シャワーを浴びていたんだ さっぱりしたよ」



髪を拭きながら杏梨に微笑む。



その顔は高熱を出していた人のようには見えない。



「そんな、無茶だよっ!ぶり返しちゃうじゃないっ どうしてちゃんと寝ていないのっ?」



わたしはゆきちゃんを怒った。



「もう大丈夫だよ 熱は下がったし、身体が軽くなった」



「ダメだよ あんなゆきちゃん、初めて見たんだから ああん もうっ!そこに座ってっ」



皮素材の丸いイスに雪哉を座らせると、ドライヤーに手を伸ばし雪哉の濡れた髪に熱をあてる。



ドライヤーをあてると、すぐにサラサラの髪の感触になる。



「杏梨にやってもらうと気持ちがいいな」



「もう何言ってんの?ぶり返したらどうするのっ?」



のんきな雪哉に杏梨はむうっと膨れる。



髪は乾き、ドライヤーのスイッチを止める。



心配そうな杏梨を見て雪哉は嬉しいとともにからかいたくなった。



「杏梨に熱を発散してもらいたいな?」



「えっ?」



何のことだかわからず首をかしげる。



鏡の中で合った視線……雪哉の杏梨を見つめる目は熱を帯びていた。




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