Love Step
「な、何の事だかわからないよ」



困った顔になるとそれがまた雪哉の心をくすぐる。



雪哉は振り向くと杏梨は足の間に立つ形になる。



「愛し合いたいって言ったらどうする?」



「え……ば、バカなこと言わないで、ゆきちゃんは病人なんだよ?」



雪哉の手が杏梨の肩から腕にかけて行ったり来たりゆっくり動いている。



「ゆ、ゆきちゃん?ね、寝てなきゃ……」



撫でられていた指が後頭部にかかり雪哉は自分の方へ近づけた。



なんだかんだと言っても杏梨はいつものように甘いキスに期待してしまう。



瞼を閉じたが期待した唇が触れられない。



クスッと笑う雪哉の声に目を開ける。



「?」



ゆきちゃんの笑った顔を近くで見る。



「期待させて申し訳ないけれど、杏梨に風邪が移るのは嫌なんだ キスはお預けね」



杏梨を引き寄せた時は、キスするつもりだった。



が、自分が風邪をひいていたことを思い出し寸前で止めた。



キスを期待してしまった顔をゆきちゃんに見せてしまい恥ずかしさで顔が一気に赤くなる。



は、恥ずかしい――……。



「期待してた?」



「もうっ!ばかぁっ!早くベッドに行ってっ!」



どうしていいかわからなくてクルッと背を向ける。



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