空白の玉座
「次に狙われるのは確実にアメリア様です。…隊長、しばらく王妃様をどこかの別荘に滞在させることはできないのですか」
「できないこともないが、護衛に限界がある。万が一大勢で攻め込まれれば逆に危険だ」
「……なら僕の家へご招待しよう」
ガイの言葉にゴルドアとジェイスは顔を見合わせる。
「貴族の私有地には、たとえ王宮の使者でも正当な理由がなければ入れない。安全でしょ?」
何も考えずに笑うガイにゴルドアが厳しい表情を見せた。
「確かにランスロット家は傭兵も大勢いますが、……それでは国に逆らうことになります」
「僕の最優先はアメリア姫だからね。むしろ国王が死んだのならそのまま僕の家にいてくれてもいいくらいだ」
ハハッと笑うガイを見ながら、笑えないとジェイスは溜め息を吐く。
ガイがいることがすでに別の意味で危険な気もしたが、幸いガイが彼女を傷つけるようなマネはしないはずだが。
訓練場の先に見えるアメリアの居館をジェイスは複雑な気分で見上げた。