かわいそうに…
そして翌日。

小雨が降る中、近所のお寺でお葬式は始まりました。

女の子のご両親は泣きながら、訪問者達に頭を下げます。

わたしも親族席に座りながら、女の子の遺影を見つめます。

明るく、わたしにも懐いていた可愛いコです。

いなくなったことが…今でも信じられません。

…ストーカーのことは、何となく感じていました。

けれど警察の人がいるし、学校のみんなもいるから、と明るく振る舞っていました。

その本心を、見抜けなかった自分が情けないです。

女の子は殺される時、どんなに怖かったでしょう?

どんなにさびしかったでしょう?

最期に何を思い描き、何を感じたのか…もう聞く手段はありません。

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