来栖恭太郎は満月に嗤う
翌日。

朝9時に、俺の部屋のドアがごく静かに開けられる。

「おはようございます、来栖様。起床の時間です。朝の紅茶をお持ち致しました」

そう言って入室してきたのはクレオだった。

執事はノックせずに入室する事を許されている。

たとえ主人の部屋であろうと、ノックの必要はない。

我が屋敷に限らず、一般的な執事はそれが許されているのだ。

俺に恨みを持つクレオにとっては、ノック無しの入室は有利に働く事だったが、俺は敢えてそれを黙認していた。

『俺が隙を見せたならばいつでも殺して構わない』

その自信の表れでもあった。

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