君だけのもの


…っていうか…そろそろ離してほしい。

いつまでくっついてんの!?


…でも、心地いい…。
日悠の心臓の音に、あたしの心臓の音が重なってて…


っじゃなくて!!

「離して。」

「何で?」

「嫌だから。」

あたしが冷たく言い放つと日悠は更にギュッとして小声であたしにしか聞こえないように言った。

「俺にそんな態度とって、ただて済むと思うな…。」

そして、パッと手を離して、笑顔で言った。

「じゃあ、俺いかなきゃいけないんで。皆さん陽奈ちゃんをよろしくお願いします♪」

あたしは、背筋が凍りつくのを感じた。

お兄ちゃん…日悠は安心じゃないよ…。


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