君だけのもの


家に帰ったら、陽奈がテレビを見ていた。

「ただいま…。」

「あっお帰り!!早かったね。」
陽奈はテレビから俺に目を移して言った。


「あのさぁ、陽奈って友達いんの?」

「はぁ?いるに決まってんじゃん!!」

陽奈は「馬鹿にしないでよ」と続けて、再びテレビを見はじめた。

「じゃあさぁ、今年の夏どんな水着が欲しいか聞いてくんない?ってか聞け。」

「何で?」

「…いいから。」

流石に、水着のデザインが浮かばないなんて言えねぇ。デザイナーとしてのプライドが…。


「…?…まぁいいけど」

「ん。よろしく。」

「わかったぁ。」

陽奈はだるそうに返事をした。

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