君の瞳-Hitomi-
僕が慌てていると鳴海先輩が笑った。
「わかってるよー!
悠紀は男だよね?
でも、桜子様のご指名だから大丈夫みたい!」
桜子…様?
あの、夢の君か…。
「そうだね。
桜子様が一番男嫌いだから。
桜子様でも大丈夫なくらいだから私達も大丈夫みたいなんだ。
実際、蕁麻疹も出ないしね。」
じっ、じんましん…!?
男嫌いでじんましん…
相当なんだなぁ…じゃなくって!
「ぼっ、僕が女々しいって事ですか!?」
それはそれで酷い…!
「あは、よくわかんないや!
とりあえず、桜子様がお待ちだから行くよー!」
「うわっ!」
ぐいっと俺の腕を引っ張って裏口に向かう鳴海先輩。
その後ろから沢村先輩も夏目先輩も来ていた。
…あぁ、入り口には人が沢山いるからか。
じゃない!
僕、行きたくないよ…!
「ひっ、聖くん!
助けてぇ…!」
聖くんに助けを求めるがブンブンと首を振られた。
酷い…!
にしても、女の子の手を振りほどけない僕って…うぅ。