恋人はトップアイドル
「あー、あたしやばいかも。」

そんなことを考えてたら、自分が緊張してきた。

「勉強してないのかよ。」

「うんちょっとね・・。」

「どうせあのイケすかねー野郎のことでも1日中考えてたんじゃねえの?」

「う・・は!?」

あたしは思わず頷きそうになってから、声を上げた。

輝と付き合ってることは誰にも言ってない。なのに・・・、まさかバレてる!?

「なんだよ図星かよ。」

健人の呆れた返事に、あたしは目の前が真っ暗になりそうになった。

なんで!?あたしいつ喋った!?てか喋ったっけ!?え!?

頭の中が混乱をきたしそうになる。

ああ次挨拶なのに。

「お前な、どうせバイトなんだから。変な夢見んのやめろよ?」

「・・え?」

健人の呆れ返ったような言葉に、あたしは放心しそうになった。

あれ?バレ・・て、ない?

「お前本気で大丈夫かよ!?所詮パンピーだぜ?相手にゃされねーだろ。」

「あ、ああ・・うん、そうね。」

よかった・・、やっぱりバレてない・・。

思わず胸に手をあてる。

「お前最近ボーッとしてっからさ。そろそろエンジン切替ろよ?もし抜き打ちテストで生徒会長が1位陥落とか笑い話にもならねえぞ。」

しかしその直後。
健人の厳しい声が、胸に突き刺さった。

確かに、最近は幸せぼけしてた。輝とのことやバイトのことで、勉強から遠ざかっていた。しかも、輝のことばかり考えてしまっている気がする。

健人の言う通り、生徒会長が過去学年1位から陥落したという例は、前例がない。
だから、あたしが背負ってるものは大きい。

やばいかも・・・。

なんてことは、あっちゃならないんだ。


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