恋人はトップアイドル

突然の衝撃

『やめ!ペンを置いてください。』

ペンを走らせる音だけがある教室内に、試験監督の声が響き渡った。

「終わった・・・。」

あたしもペンを置いて、ため息をつく。
英語・日本史・国語の順で、約4時間に及んだテストが、やっと終わりを告げた。

最後の国語は簡単だった。あたしの一番の得意科目。英語も多分8割はいける。でも問題は、日本史だった。レベルが高すぎた。無難も何もない。高度な問題ばかり集めたような感じ。それでも7割はとれたと思うけど。

でも本当にやばいかも・・・。

あたしは今までにないくらいに焦っていた。

いくら推薦が決まっているとはいえ、学年1位の座は守らなきゃならない。だけど今回の出来だと、受験組に抜かれる危険性は確実にある。


思わず頭を抱えてしまう。ぐしゃっと髪の毛を掴んだ。


本当になにやってたんだろ自分。

いくら忙しかったとはいえ、それは言い訳にはならない。
本当に陥落してしまったら、過去最高の笑い者だ。


泣きたくなる気持ちをぐっとこらえた。

今日から死に物狂いで勉強しなくちゃ。






そして放課後、いつものように生徒会会議を開いた。今回は来週に控えた体育祭の委員も集めての、体育祭に関する合同会議。

父兄席や、外部からの観覧席などの配置。体育祭への入場券の発行。種目の並び。委員の各種目への振り分け。

それぞれを最終決定した。

勉強が主なあたしたちの学校では、学校全体での体育祭の合同リハーサルは1回のみ。学年全体でのリハーサルも1回だけ。
それを今週中に詰め込む。


そして、あたしたちの学校の体育祭の目玉は、なんといっても各クラスごとの余興だった。
これは各クラスごとに、余興を担当する生徒たちが、去年くらいから考えているはずで、毎年面白いと評判がある。


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