恋人はトップアイドル
「だから、だからね・・。あたし、会える時は、大事にしたい。この時間を。あと、もっとたくさん知りたい。輝のこと。・・・これって、欲張り、かな?」

不安げに聞く優美に、堪らなくなってキスをした。

「んんっ!?」

もう、ほんっと。

お前は最高だよ。


手放せねえ。
ずっとこの先。ずっと、ずっと。


「あ、き・・らっ、何すんのっ?」

やっと唇を離すと、優美はまた真っ赤になっていた。

「何ってキス?」

「今すごい大事な話してたんじゃなかったのっ?」

「してたな。会える時は、2人の時間を大事にする。キスだってその内の1つだろ?」

「そっ、それは・・。」

真っ赤になって言葉に詰まる優美がかわいい。

「俺も知りたい。」

「へ?」

「お前のこと、もっと知りたい。」

「輝・・・。」

「結城輝の全部は、優美にくれてやるよ。なにが知りたい?なんでも聞けよ。つか・・、確認するトコでもねーだろ。彼氏のこと知りたいっていうののドコが、欲張りなんだよ。」

「だ、だって・・。」

「これからは遠慮すんなよ。この先ずっとそれじゃ、疲れんだろーが。」

「え・・・?」

なに、言ってるの?といいたげな優美の顔に、思わず苦笑する。

まあいきなりじゃ伝わらねえか・・。

「本当は、家戻るまで出さないつもりだったんだけどな・・、まあいいか。」

俺は、ずっとポケットにいれていたそれを取り出した。

キラリと光る一粒のダイヤモンド。そのダイヤモンドを包むシルバーリングを、プラチナのネックレスがつるす。

「それ・・。」

「誕生日おめでとう、優美。」

優美の目がみるみる潤んでいくのがわかった。

「このリングは、お前が卒業したら、この指につけろよ。」

そう言って、俺は優美の左薬指を触る。

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