恋人はトップアイドル
「一度入ってみたかったんだよー!王蘭高校!だから今回すっげー嬉しい!」

優太くんはそういってはしゃぐ。

「つか大学みたいだよね?普通の学校とは全然作りが・・」

「んー、そうですね。何度か改築なんかもしてます。今は教室や机も黒板じゃなくて、全てパソコンに変えてるトコですね。」

悠さんの言葉にそう返した。
確かにこの学校は、普通の学校に比べてかなり広い方だと思う。敷地面積は都内の私立大学とほぼ同じ面積を誇り、その内約4割を運動場にあてている。文武両道を掲げる進学校として、運動場や運動部の施設の快適さは、かなりレベルの高い方だろう。

「天井、床、壁、ほぼ全てのものに色を与えず、白を基調としているのは、開放感や、あと元ある面積をより広く見せるためです。あとは大体ガラス張りにして、外の景色がみえやすいようにもしてます。」

中庭の前の食堂を通りながら、説明した。食堂は吹き抜けになっていて、中庭に面する所は全てガラス張りになっている。中庭は、学校お抱えの庭師が毎日丁寧に手入れしてくれているから、綺麗な花や木々がちょうどいい具合に配置されていて、心を和ませてくれる。

食堂のすぐ隣にあるエレベーターで最上階へ向かう。そこに生徒会室があるからだ。

「エレベーターは普段は使いません。生徒たちは原則階段。勉強する脳を作り上げるためには、毎日の適度な運動がいいとされているので、なるべく身体を動かすようにと、されています。」

「なるほどね~。」

「・・すげえな。」

優太くんと輝が感嘆している。あたしにとっては普通なんだけど・・。

でも、輝が同じ学校にいるなんて。仕事とわかっていても、気を抜いたらにやけちゃいそう。

だから極力今日は、輝を見ないようにしていた。


「おはよう、健人。」

「おせーぞ優美。」

生徒会室の中に入る。後ろから続々とRとスタッフが入ってきた。
広めの生徒会室だけど、埋まりそうだ。


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