恋人はトップアイドル
しっかしこの男・・・。

今日は取材だって言ってあるのに憎たらしいくらい普段通りじゃない!!

足を机の上に乗せて、新聞読んで、ネクタイだらだらだし・・・。

スタッフさんたちがみーんなポカンとしてる。
Rも多少、唖然としてるし。
輝は健人を見たことあるから、あんま驚いてなさそう。

「ごめんなさい、コレがうちの副会長です。」

コレの部分を強調して、健人の頭上から人差し指で頭をさす。

「てめえコレってなんだよ。」

健人がすかさずあたしの手を払った。

「鈴木健人です。いちお副会長っす。よろしくどうぞ。」

立ち上がって頭を下げたのを見て、スタッフさんたちはようやくほっとしたみたい。

「なんだこの人数。」

健人がボソッと耳打ちする。

「あたしも驚いた。つかあんたネクタイくらいちゃんとしてよ。」

「わかってるよ。始まったらな。」

「今して。」

「うっせーな。大丈夫だよヘマはしねえ。全国にこの俺のイケメンっぷりを見せつけてやるぜ。」

・・・・もうなんも言えない。本当にアホ、バカ、マジで。

「R目の前にしてよく言えるわね。」

「つかお前は大丈夫なのかよ。」

「昨日電話で説明したでしょ?」

「あーあれな。でも油断できねえだろ。」

「・・・まあね。でもやるしかないし。」

小声でそう喋っていたら、スタッフさんの一人が声をかけてきた。

「Rの支度終わったら始めていいですか?」

「あ、はい。」

「大体30分~1時間くらいですんで。進行はこちらの指示でお願いします。」

「わかりました。」

そう答えるとスタッフさんはRの方へ戻っていった。数いるスタッフさんたちが慌ただしく、Rの衣装チェックやメイク、髪型のセット、マイクセットを行っている。

「げーのーじんてすげえなあ。」

「ねえ。」

それを見て呟いた健人に同意した。

「てかあんた、ネクタイくらい締めなさいよっ。」

「お前百合みてーなこと言うなよ。」

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