恋人はトップアイドル
「大丈夫?水飲み場行く?」

「んー。」

2年の学年を周り終えて、残りは3年生の教室になった。
2年生も相変わらず煩くて、健人はとうとう声がかれそうだった。

「じゃあ、少し休憩に。」

スタッフさんの一言で、10分休憩になった。

「水飲んでくる。」

「うん。」

健人が廊下を歩いていくのを見送っていると、だれかに肩を叩かれた。振り向くと、スタッフさんが立っていた。

「あ、ごめん。輝がお手洗いいきたいと言ってるんだけど・・、案内してもらえるかな?」


輝・・。
その名前を聞いて、どきん、とする。

「いいですよ。」

戸惑うのを隠して、笑った。


「こちらです。」

輝を連れて、なるべく教室の前は歩かずにトイレへと向かう。幸い、この学校はトイレは端と端の死角的な場所にあるから、ちょうどよかった。

「どうぞ。ここで待ってますね。」

2人きりとはいえ、誰がみているかわからない。なるべく、輝を見ないようにと、気をつけていた。


すると。


「きゃ・・・!?」

腕をグイッと引っ張られた。かと思うと、ドンと何かに押し付けられて、唇を塞がれる。

荒々しいそれに、あたしはついていくのがやっとだ。


なに・・!?どうしたのっ?


初めてのコトにびっくりする。大体ここは学校。2人きりだけど・・誰がいるかわかんないのに!

「んーっ!んふうっ、あっ・・!」

必死で胸を押し返そうとするけど、さらにぎゅうっと抱きしめられる。舌が入ってきて、息もままならない。

怖い・・。輝、怖いよ・・!


荒々しく繰り返されるキスに、涙が出そうになる。
するとようやく、唇が離れた。銀の糸が、淫らに2人を繋ぐ。お互い、荒い息をしていた。


「優美・・。」

その声に、びくんと、身体が跳ねた。輝の手があたしのお尻をとらえている。

でもさっきほど、苦しくはならなかった。

輝・・、もしかして・・・・。

「妬いて、る・・??」

輝の両肩を抱きしめて、そう聞いた。

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