雪がとけたら




やがて雪がやんで、










雪がとけたら…















「ちゃんと、笑うね。笑うからね…」


















…雪がとけたら、全て消えてなくなると思ってた。


だったらあたしも、一緒に消えてなくなってしまえばいいと思ってた。







…でも違った。



雪ちゃんはいつも、あたしの側にいた。




雪ちゃんの愛は、ちゃんと届いてた。





あたしの中に、ちゃんと…。
















「お姉ちゃん」



泣きじゃくるあたしの手を、彩架ちゃんがそっと握った。



「お姉ちゃんは、『あいつ』でしょ?お兄ちゃんが言ってた、『あいつ』でしょ?」

「え…?」




涙で濡れた顔を彩架ちゃんに向ける。

…『あいつ』?








「お兄ちゃんね、寒い時彩架にずっと、お話してくれてたの。お兄ちゃんの大切な、『あいつ』の話。彩架よりもうんと小さな頃からずっと一緒で、ずっと大好きだった『あいつ』の話。それは、お姉ちゃんのことでしょう?」




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