舞姫〜MaiHime〜
2,舞危-Maiki-
ドンドンッ
朝、あたしはドンドンと寮の扉を叩く音で目が覚めた。
『紅ー。俺、蓮樹!』
蓮樹?
『今行くー。』
寝ぼけ眼で扉に向かった。
って!
ヤバイヤバイ。
変装してなかった!
『ちょっと待ってろ!』
『分かった。』
あたしは急ピッチで変装を終わらせて扉を開けた。
『あっおはよう紅。』
『はよ。』
『朝から悪いんだけど、今日俺等の倉庫来ない?』
馬路で?
わざわざ攻めようとしている族の総長入れてくれるの?
馬鹿な奴。
『今日、暴走だから紅も来なよ。』
あたしの考えはその瞬間崩れ去った。
暴走って。
あたしも自分の族で走んなきゃなんだけど。
『…ごめん、俺。今日は無理だわ』
『えぇ。なんで?』
『…ええっと。…その。』
あたしが答えに困っていると……。
『蓮樹。』