舞姫〜MaiHime〜

3,舞白-Maihaku-



『…あたしは。』

ゆっくり。
ゆっくり。

あたしは皆に向かって言った。

言った時点で変わる事なんてないかもしれない。
だけど,言わなきゃいけない事。


大切な仲間の事。


『…あたし達,舞蝶は。大切な仲間を失った。それは,今まで共に戦ってきた,ここまで成長させた大切な仲間。』

皆は,何も言わずにただただ,あたしの話に耳を傾けていた。

それが何故だか分からないけど嬉しく思った。


『彼の名前は翔。あたしの右腕で元6代目福総長。…翔は生まれつき心臓病だった。でも,そんな事分からないほど喧嘩は強いし元気だった。…だけど,翔は死んだ。』


『…猛火のせいで。』

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