舞姫〜MaiHime〜

『…ある日,翔は猛火の奴等に集団でリンチされて…死んだ。』

皆は,その話がまるで嘘のように。
信じられないとでも言うような表情をしていた。

『…あたし達は許せなかった。大切な仲間の命を奪った猛火を。だから,あたしはここに来た。…さっきの戦いはあいつらの独断。…あたしはただ犯人を知りたい。』


『…翔を殺したのは誰?』

あたしの声は校庭中に響き渡った。


だけど。
それは無意味なものだとあたしは分かっていた。

誰って聞いて出てくるような馬鹿なんていないから。


でも。
1つ変わったのは。

皆の視線が優しくなった事。

皆が自分がやった事ではないはずなのに。

あたしに向ける視線には謝罪の気持ちがこめられていた。

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